飲食店営業の手段の1つとして「キッチンカー」による移動販売があります。キッチンカー事業は、店舗に比べて比較的に初期費用も安く、柔軟に立地を変更することができます。ビジネスとしても魅力に感じる方も多いです。
キッチンカーによる移動販売においても、調理や食品管理等を伴うため保健所の飲食店営業許可が必要です。
本記事では、キッチンカーでの営業をスムーズに開始するために、必要な許可の内容や取得の流れについて解説致します。ぜひ参考にしてください。
飲食店営業許可を取得する

キッチンカー事業を始めるためには、保健所の「飲食店営業許可」を取得する必要があります。食品を扱うことになるため、キッチンカーが食品衛生法に則した設備が備わっており、適切な運営ができるかを事前に確認をするためです。
飲食店営業許可の申請を行う先は、営業者の住所地ではなく「販売先のエリア」を管轄する保健所となります
保健所による管轄エリアは各自治体で扱いが異なります。広範囲で、キッチンカーにて営業をしたい場合は、複数の保健所にて許可が必要になるケースもありますのでご注意ください。
なお、許可の有効期限はおおよそ5年になります。許可取得後、無期限で営業ができるわけではございません。更新を忘れると、罰金になりますのでご注意ください。
「食品衛生責任者」の資格が必要
通常の許可申請と同様に、営業許可の申請前に、「食品衛生責任者」の資格を取得しておく必要があります。この資格は、「食品衛生責任者養成講習」を受講することで取得できます。
なにか特別な資格が必要になるわけではありません。
キッチンカー営業許可を取得する流れ

申請手続きの流れについて説明します。なお、弊所ではキッチンカーの飲食店営業許可申請書類の作成や申請手続きを承っておりますので、許可申請をお考えの方はお気軽にご相談ください。
保健所に事前相談
まずは、営業予定地を管轄する保健所に事前相談を行います。この段階で、営業許可の取得に必要な条件や必要書類、車両の基準などを確認することができます。キッチンカーの設計図や販売予定のメニューは必ず用意しておくことを推奨致します。その後、保健所の指導に基づき、基準を満たしたキッチンカーを手配しましょう。
保健所への提出書類を用意
次に、保健所に提出する書類を準備します。
必要書類(例)
営業許可申請書
食品衛生責任者の資格証明書(原本)
登記事項証明書(原本)※法人の場合のみ
HACCPに沿った衛生管理計画書
申請図面に記載した設備と自動車
車検証
水質検査成績書(26項目)※井戸水等を使用する場合のみ
営業許可を取得するためには、自動車が営業許可基準に適合していることを証明しなければなりません。静岡県HPに掲載された図面例のように、必要事項を全て図面の中に記載する必要があります。
【図面例】

保健所でキッチンカーの検査を受ける
書類の準備が整ったら申請手続きを行い、保健所にキッチンカーを持ち込み検査を受けます。
この検査では、車両の設備が基準を満たしているか、衛生面に問題がないかなどがチェックされます。一つでも不備があると再検査が必要になるため、事前確認を入念に行って検査に臨みましょう。
取り扱う食品の種類や調理行程によって、必要なタンクの容量が変わりました。下記表を参考に、必要な容量の給水タンクおよび排水タンクそれぞれを自動車に備えてください。(静岡県HPより)
以下の表からも分かる通り、リットルまたは80リットル区分で営業許可を取得したキッチンカーでは、食器を十分に洗浄できないため、すべてのメニューを使い捨て容器で提供する必要があります。

営業許可証の交付・営業開始
無事検査を合格できたら、保健所から営業許可書の交付予定日が伝えられます。許可証を受け取った後に、営業することが可能になります。
まとめ

今回は、キッチンカーの開業に必要な営業許可について解説いたしました。実際に開業準備を進めていくなかで「これは何の届出/許可が必要なのか」と疑問に思うところが出てくるかもしれません。営業エリアに応じた条件を満たしたり、車両設備の要件もあるため複雑に感じる方も少なくありません。また必要な書類の中には、詳細な図面や設備についての詳しい情報を書面に記載する必要があり、はっきり言って複雑です。
本業に集中される事業者様に代わって、書類の作成と提出まで全て代行致します。弊所は柔軟性や丁寧さに加え、フットワークの軽さにも自信があります。煩わしい手続きは専門家に任せて、本業に注力することを強くお薦めいたします。遠方地域で申請に行けない場合やお急ぎの場合は是非弊所にお問い合わせください。



